日本補綴歯科学会第128回学術大会に参加してきました。
2019年05月20日
5/10〜12の日程で、札幌コンベンションセンターにて行われた日本補綴歯科学会第128回学術大会に参加してきました。
各会場で様々な発表が行われていましたが、中でも「部分床義歯の力学を再考する〜天然歯を守るインプラント支持の活かし方〜」というテーマで4名の先生方が講演されたセッションは大変勉強になり、印象に残りました。
これまで、全部床義歯においては義歯の動きを抑制するためにインプラントを併用するインプラントオーバーデンチャーが用いられることが少なくなかったのに対し、部分床義歯において同様にインプラントを利用しようとすると、被圧変位量が異なる残存歯とインプラントを支台装置として併用することになるため、全部床義歯とは異なる難しさがあります。しかし、実際に部分床義歯においてもインプラントを支台装置として用いることは、患者さんが快適に義歯を使用するために有用であるため、どのように考え、設計を決めていくのが良いかということに対して、部分床義歯の基本的な設計原則に加えて、4名の先生方の経験された症例を元に効果的なインプラントの用い方などについて貴重なお話を聴くことができました。
また、インプラント、義歯と並び一般的な欠損修復であるブリッジについて、「接着ブリッジの古今東西〜メタルとジルコニア、2リテーナーとカンチレバー〜」というテーマでの講演も、私たちの実際の臨床に密接に関係した内容で勉強になりました。ブリッジの中でも接着ブリッジの症例数は日常臨床において多くないため、接着ブリッジの支台歯形成量や支台歯数、接着材料や接着操作について、長期症例を供覧しながら学べたことで、今後これまでよりも積極的に接着ブリッジを用いることができるのではないかと思いました。
その他に、嚥下に関する市民フォーラムや、様々な一般口演、ポスター発表が各会場で活発に行われており、日頃の臨床では見聞きしたり考える機会のない内容にも触れることができ、有意義な経験となりました。
齋藤